オランダ現地でのスタッフの採用は、貴社のオランダビジネスを成功を左右するといっていいほど、最も重要なステップです。今回のブログでは、2023年にオランダへのビジネス進出を検討している日本企業様へ向けて、現地で人材を採用するために必要なステップをご紹介いたします。

 「オランダ進出 実用マニュアル PART2: 進出エリアを戦略的に決定しよう」はこちらからお読みいただけます。

ステップ1:事業体を選択しよう

本連載のPart 1では、オランダの事業体と、オランダ税務局(Belastingdienst)およびオランダ商工会議所(KvK)での事業登録の方法について触れました。雇用するスタッフの給与から給与税を源泉徴収するためには、給与税番号が必要となります。それゆえに、スタッフを採用するには、まず事業登録を完了していることが必要です。

各企業の事情によっては、オランダの事業体として登録することが最適ではない場合もあります。そのような場合には、オクタゴン・プロフェッショナルのような現地の雇用代行企業にスタッフの雇用を委託するという方法もあります。オクタゴン・プロフェッショナルは、オランダ移民局(IND)からEU圏外の人材の雇用するための認定を受けた企業です。そのため、貴社に代わって日本をはじめ世界の各国より必要な人材を雇用することが可能です。

ステップ2: 採用ニーズを把握しよう

次は、貴社のビジネスの目標、現状をふまえて、どんな責任・役割をもったポジションを採用する必要があるかを明確にしましょう。ビジネスにはそれぞれ個性があり、自社のビジネスの成長にはどのようなスキルやタイプの人材が必要なのかを明確に理解していることは重要です。

さらに、採用したスタッフにどの雇用形態をオファーすることが最適かは、ポジションによって異なります。以下に、オランダで可能な雇用契約の種類と、どのような仕事に対してこれらの契約を提供するのが一般的なのかを簡単にご紹介します。

有期雇用契約: 有期雇用契約では契約終了日が定められており、通常、一時的に雇用する必要のあるスタッフに提供されます。また、オランダでは、企業で正社員として働く新規採用者にまず1年間の有期契約を提示することもかなり一般的な慣行です。有期雇用契約の契約終了時には、雇用を終了させるための解雇手続きは必要ありません。引き続きスタッフに就業継続してもらいたい場合は、ふたたび新たな有期雇用契約をオファーすることができます。ただし、すでに当該スタッフに3度連続して有期雇用契約を提供済みの場合、または当該スタッフが有期雇用契約の下で最大36ヶ月間働いている場合、雇用主は当該スタッフに対して無期雇用契約を提供する義務があります。

 無期雇用契約:無期雇用契約には契約終了日がありません。無期雇用契約を終了させる場合は、雇用主は(裁判所を介さずに)スタッフとの相互合意によってのみ終了が可能です。

ゼロアワー契約: ゼロアワー契約は、有期雇用契約、無期雇用契約のいずれにも適用可能な柔軟な労働形態です。ゼロアワー契約には固定された労働時間の定めはなく、スタッフは雇用主からのオンコールがあったときにのみに勤務します。オンコールのスタッフであっても、給与、休暇、休日などについては他のスタッフと同じ権利が与えられます。

フリーランス契約(ZZP):フリーランサーとは、基本的には限定された期間に特定の雇用主にサービスを提供する独立した自営業者のことです。雇用主としては、一定の条件の下でフリーランサー/自営業者を雇用する場合、給与税を支払う必要はありません。

ステップ3: 適切な人材を集めよう

採用するポジションが明確になったら、次は人材の募集を開始しましょう。

オランダに初めて進出する企業の場合は現地にネットワークを持たない場合がほとんどですが、その場合はインターネット上で採用活動を行うのが最も効率的、そして効果的です。

オンライン求人広告: オンライン求人広告プラットフォームを利用すると、多くの場合は複数の応募を得ることができます。また、そのほとんどが無料で利用できることも魅力的です。以下は、オランダで一般的な求人広告プラットフォームの一覧です。

Indeed : インテリジェント・グループによると、Indeedはオランダでナンバーワンの求人広告サイトであり、求職者の半数以上(54%)がそれを利用して就職活動を行っています。Indeedは、ブルーカラーとホワイトカラーの求職者の両方をターゲットとし、あらゆる種類の学歴や経験を持つ人々に利用されていることが特徴です。

LinkedIn: 世界最大のビジネス向けSNSであるLinkedInは、企業が潜在的な候補者とつながるために欠かせないプラットフォームです。LinkedInは、主に高い学歴(学士/修士)を持つ人々に利用されています。

Monster Jobs: Monster Jobsは、主にオランダ語圏の求職者を対象としています。

Glassdoor: 世界で最も人気のある最大の求人広告サイトのひとつ。このサイトでは、福利厚生、企業文化、社内キャリア形成の機会、ワークライフバランスなど、さまざまな基準で企業を評価することができます。Glassdoor Netherlandsは、主にオランダ国内の英語を話す求職者を対象としています。

IamExpatジョブボード: IamExpat ジョブボードは、非オランダ人を対象に、オランダでの英語での求人情報を提供しています。企業や人材紹介会社は、ハイスキルな外国人を採用するためにこのジョブボードを利用しています。

Werk.nl:  Werk.nlはオランダ政府が運営している公式の求人広告サイトです。主にオランダ語を話す人を対象とした公共の雇用サービスで、主に社会保障を受けている失業者が利用しています。

採用プロセスをアウトソース

オランダでは、求人情報の75%以上は人材紹介会社によって所有されています。自社で採用活動を行うこともできますが、オランダの求職者は、就職活動において人材紹介会社を利用することが一般的です。人材紹介会社に採用業務をアウトソーシングすることで、特に競争の激しい業界や需要の高いスキルをもった候補者を効率的かつスピードをもって集めることが可能となります。

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オクタゴン・プロフェッショナルズは、30年以上にわたり、日本企業およびオランダ国外から進出する企業の現地の人材採用をサポートしてきました。まずはこちらからお気軽に日本語でご相談ください。