燃え尽き症候群、病気、インフルエンザ、風邪 、これらはすべてオランダの従業員が病欠のために職場に連絡する正当な理由の例です。オランダは労働法と従業員福祉に対する進歩的なアプローチで有名であり、これは特に病気休暇政策に適用されます。今回のブログでは、一般的な意味でのオランダの病気休暇制度のニュアンスについて掘り下げてご紹介します。日本の病気休暇制度とは多くの点で異なります。もし貴社の人事チームが病気休暇ポリシーのサポート等が必要な場合は、お気軽にお問い合わせください。 

病気休暇を認める理由 

一般的に、従業員に病気休暇を許可するかどうかは、会社と従業員の間でケースバイケースで決定されます。これは、従業員が数日または数週間のみ休暇を取得する場合に特に当てはまります。従業員が病気休暇の取得を申請する場合、その従業員が業務遂行ができないといった前提があります。 

同時に、従業員の健康に関するプライバシーは非常に重要であることを強調する必要があります。従業員が病欠の連絡をする際に、理由を言う必要はありませんし、雇用主は理由を尋ねることはできません。ただし、いつ職場に戻れるか、休んでいる間に仕事を引き継げるかを尋ねることはできます。例外は、従業員が妊娠や臓器提供のために休暇を取る必要がある場合は、人事チームにその旨を伝える必要があります。いずれの場合も、「通常の」病気休暇とは異なる補償がなされるため、人事チームにその理由を伝える必要があります。従業員が長期欠勤する場合、従業員とマネージャーは、欠勤中の従業員の仕事をどのように完了させるかについて話し合うのが一般的です。 

病気休暇の支払い 

法定最低賃金は、従業員が病欠した場合、賃金の70%が最長2年間支払われることになっています。(また待機日数を導入できる企業もあります。)雇用主が賃金の70%以上の条件を提示することは一般的ですオランダの多くの企業は、一定期間従業員の給与の100%を支払うことを選択しているのが事実です。このような長期間にわたる病気や怪我は、すでに十分なストレスとなっています。給与の100%を支払う目的は、従業員の回復を最優先させることであり、賃金の損失を補うことではありません。  

2年(104週間)経過後、雇用契約を終了することができ、従業員はオランダ政府(WIA)から失業手当を受給することができます。その後、政府はあなたの従業員の賃金を支払うことを引き継ぎます。そのためには、会社と従業員の双方が、従業員を仕事に復帰させるためにあらゆる手段を尽くしたことを証明する必要があります。 

病欠日の割り当て 

一般的に、オランダの職場では病欠日数の割り当てはありません。従業員の福祉が最も重要であり、完全に回復するための時間とスペースを与えることで、従業員が職場で最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。オランダだけでなく、ヨーロッパの他のいくつかの国では、雇用主が人事政策の一環として従業員のために特別に病欠日数を割り当てることはできません。 

医師の診断書はいつ必要ですか? 

オランダの多くの企業では、他の多くの国とは異なり、従業員が病欠を申し出た際に医師の診断書を提出する必要はありません。従業員の病気や就労不能を確認する必要がある場合、従業員は会社の医師(bedrijfarts)と面談する必要があります。  

会社の医師、つまり産業医と相談することは多くの企業がオランダで行っていることです。第一に、従業員の健康に関する個人情報保護法に抵触するリスクを最小限に抑えることができます。第二に、産業医の意見は一般的に従業員の個人的な医師の意見よりも優先されます。これは、産業医の教育と資格が従業員が仕事に適しているかどうかを判断するのに特に適しているためです。最後に、長期にわたる病気や怪我の後、従業員が社会復帰するためには、産業医に相談することが不可欠です。 

産業医(bedrijfarts)の役割 

産業医の役割は、オランダでは比較的ユニークなものです。要するに、産業医とは、従業員の健康と安全を監視し、会社が適切な健康・安全基準を守っていることを確認するための(会社に雇われた)外部関係者のことを指します。産業医は従業員ができるだけ早く回復に向かい、その状態を維持できるよう会社と協力します。産業医は一般的にサービスプロバイダーまたは、フリーランサーとして活動しています。  

オランダのほとんどの企業は、法律により産業医と働くことを義務付けられています。産業医に相談する最も一般的なケースは、従業員が社会復帰計画を必要とする場合です。この社会復帰手続きは、従業員が政府から失業手当を受給するために必要であり、そうでない場合、会社は従業員が病気である間ずっと賃金を支払い続ける必要があります。  

また、不正行為が疑われる場合など、会社が従業員の病状についてより詳しい情報や洞察を必要とする場合、会社は従業員に対し、産業医と面会するよう求めることができます。長期の病気の場合、このステップは6週間後に義務付けられています。 

病気休暇に関する雇用主の方針 

オランダの病気休暇ポリシーとは何でしょうか?当然のことながら、オランダの法律に準拠するために人事チームが必要とするものと、従業員に求められるものという2つの観点から検討する必要があります。 

例えば、ゲートキーパー改善法(wet verbeting poortwachter)、労働条件法労働能力法(Work en inkomen naar arbeidsvermogen, WIA)などです。あなたの会社の業界や特定のニーズによっては、考慮すべき法律が追加される可能性があります。公式のステップ・バイ・ステップの手順を確認し、業務ニーズに合うように調整させる方法をご検討ください。 

従業員に対しては、病気で仕事を休む必要がある場合に、従業員からどのような連絡が必要なのかに焦点を当てることをお勧めします。例えば、誰に報告する必要があるのか・上司以外に社内で把握しておくべき専任の担当者はいるのか・従業員が報告するのに電話をかけられる時間帯は決まっているか・またこの機会に従業員がいつ職場に戻れるか、あるいは在宅勤務が可能かどうかの提示を求めることもできます。 

会社の方針には、従業員の権利や給与額に関する情報も盛り込むことができます。例えば、あなたの会社は休業中の賃金の70%を支払うのでしょうか、それともそれ以上の額を支払うのでしょうか?  

お気軽にお問い合わせください 

オランダで働く人事担当者として、オランダの病気休暇制度のニュアンスに精通することは、あなたのビジネスがコンプライアンスに基づいて行動するために必要不可欠です。最も重要なことは、従業員が最も必要とするときに従業員の健康をケアするための十分な設備が整っていることを保証するために必要です。本記事に記載されている規制は2024年時点のものですが、定期的に改訂されていることにご留意ください。弊社の人事専門家は常に最新の変更情報を入手しており、地方自治体の指令に準拠しているかどうかを確認するため、貴社のポリシーを見直しし、必要に応じてアップデートすることができます。会社のポリシーに関してお気軽にお問い合わせください。 

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