オランダに移住されている方の中にはオランダの永住権取得を目標とされていることもあります。日本国籍の方がオランダに長期滞在する場合、2つの永住権の選択肢があります。

  • オランダ永住権 (regulier onbepaalde tijd)
  • EU永住権(EU langdurig ingezetene)

今回の記事では、オランダ永住権とEU永住権の申請条件と取得方法について説明します。将来オランダに定住を決めている方にも、短期滞在のステータスをアップグレードしようと考えている方にも、長期滞在の選択肢を理解するのに役立ちます。今回の記事にあたり、滞在許可とビザの違いを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

滞在要件

EU永住権(正式にはEU長期滞在許可証)とオランダ永住権(regulier onbepaalde tijd)の主な違いは、許可証保持者の居住要件です。その名称が示すように、EU永住権の保有者は、本国(この場合はオランダ)での居住資格を失うことなく、他のEU加盟国に最長6年間居住することができます。この許可証を保持したままEU域外に滞在する場合、この許可証を維持するために少なくとも年に1回再入国する必要があるだけです。

一方、オランダ永住権は、主たる居住地がオランダでなければならないことを意味します。オランダ国外に3ヶ月以上滞在することはできません。また、オランダの無期限許可証では、追加手配なしに EU 内の他の国で就労または居住することはできません。

永住権の資格

EU永住権またはオランダの永住権のいずれかを申請する資格を得るには、有効な許可証(複数可)を持って、少なくとも連続 5 年間オランダに居住している必要があります。これらの永住許可の違いは、この 5 年間の計算方法にあります。例えば、EU永住権では、学生滞在許可証でオランダに滞在していた場合、オランダに滞在していた期間の 50% しか考慮されません。言い換えれば、4 年間の学位取得のためにオランダに滞在した場合、EU 永住権の「5 年」の要件に算入されるのはそのうちの 2 年だけです。EU永住権を取得すると、他のEU加盟国での居住許可申請が容易になります。その後、その EU 域内の居住許可の条件を満たす必要があります。

オランダの永住権は、オランダに同じ期間居住する必要があり、また市民統合試験に合格するか、免除される必要があります。また、いくつかの個人的な事情によりオランダの永住権申請できる場合があります。これらの要件の詳細については、INDのウェブサイトをご覧ください。


EUブルーカードを所持している場合は、どちらの許可証の申請資格も異なります。

永住権の申請方法

EU 永住権とオランダの永住権は、オランダ移民局(IND) が提供する同じ申請フォームを使用します。ただし、プロセスは若干異なります。オランダ移民局(IND)は、EU永住権を与えるかどうかを決定するのに最長6ヶ月かかる場合があります。オランダ永住権の場合、決定期間はわずか3ヶ月です。申請書の完成度と一貫性によっては、どちらのプロセスも上記の3ヶ月または6ヶ月よりも短縮される可能性があります。許可証の移行をスムーズにするためには、一時的な許可証の有効期限を注視し、それに従って申請書を準備することが重要です。またオランダ移民局(IND)の決定が出るまで雇用ステータスを維持できる可能性があるのかを考慮することも重要です。