オランダへの赴任や現地での事業設立が決まったら、次のステップは、現地への移住。当ブログではオランダ赴任者の皆様が現地でスムーズに生活を開始するためのチェックリストをまとめました。ぜひご活用ください。
滞在許可証の手配
日本を含むEU/EEA加盟国以外の国籍の方がオランダに居住・就労(90日以上)する場合は、滞在許可証または労働許可証が必要です。
市民登録
滞在・労働許可証の取得後、居住する市町村(gemeente)にて市民登録を行う必要があります。ほとんどの市町村では、オランダ到着後5日以内に登録することを原則としています。到着前に市町村の役所のホームページから「外国からの市民登録」(inschrijven vanuit het buitenland)のためのアポイントメントをとりましょう。アポの予約が完了すると、市民登録当日に持参が必要な書類が記載されたメールが届きます。
現地の居住地が確定する前にオランダへ到着する場合は、賃貸契約が確定次第すぐに市民登録をしてください。不明な点がある場合、市町村にお問い合わせすることで個々の状況にあった手順を教えてくれます。
市民登録に必要な書類:
- 有効なパスポートまたは身分証明書(運転免許証は不可)
- 滞在許可証(INDにて滞在許可証を申請中であることを証明するパスポートのステッカー、プラスチック製のIDカード原本、またはINDからの滞在許可承認レターのいずれか)
- 現地での賃貸契約書
- アポスティーユ付き戸籍謄本原本と法定翻訳家によるその翻訳
- 外国人結婚証明書、登録パートナーシップ証明書、または離婚証明書(該当する場合)
オランダの市民登録についてのお役立ちリンクはこちらからご覧ください。。
オランダの銀行口座開設
現地での銀行口座の開設は、オランダで生活するには必要不可欠なもののひとつです。給料の振込、アパートの賃貸、またスーパーで買い物をしたりするためにも必ず現地の銀行口座が必要です。口座の開設は、最寄りの支店に出向くか、または銀行によっては携帯のアプリから開設申請を行うことができます。また、オランダのほとんどの銀行では、サービスを英語で提供しています。
オランダ大手銀行一覧:
オランダの銀行についての役立つリンクはこちらからご覧ください。
DigiDの申請
DigiDとは、以下のような政府機関やその他公的サービスへのオンラインアクセスを可能にするオンライン用IDです。市町村に市民登録すると、DigiDの登録に必要なBSN番号(burgerservicenummer)を付与されます。Digidを取得することで下記に関わる手続きをオンラインで簡単に行えるようになります。
- 健康保険
- 病院
- 自動車保険など各種保険会社
- 年金基金
- UVW失業対策庁
- 学生向けDUO
- KvK 商工会議所
DigiDのお申し込みはこちらから行うことができます。
健康保険への加入
オランダに居住する人は皆、民間会社が提供する健康保険に加入することが義務付けられています。オランダ国外から引っ越してくる場合は、現地での市民登録後4ヶ月以内にオランダの保険に加入しなければなりません。
ホームドクターの登録
オランダでは、個人が医療サービスを受けるために、お住まいの地域の一般診療所(huisarts)に登録することが義務付けられています。緊急でない健康上の診察の場合、通常は最初に一般診療所に連絡を取ります。一般診療所での診察料金は、基本的な健康保険でカバーされています。専門医の診察を必要とする場合も、まずは一般診療所からの紹介状が必要です。心療内科や精神科での診察も、紹介状が必要です。紹介状なしで心療内科や精神科にかかる場合、保険は適用されないため注意が必要です。
お住まいの地域の一般診療所は、このサイトから見つけることができます。サイトはオランダ語となりますが、検索にはお住まいの地域の郵便番号を記入し、「Zoek Huisartsen」というバナーをクリックしてください。
オランダ税務局への給付申請
オランダ政府は、低所得世帯や個人の家賃、医療費などの基本的なニーズをサポートするために、経済的な補助を提供しています。この手当(toeslagen)制度は、オランダ市民および居住者が利用でき、主にオランダ税務局(Belastingdienst)により提供されます。オランダでは4種類の手当があります。
交通カード
交通カード(OV-chipkaart)は、オランダ全土の鉄道、バス、トラム、地下鉄を利用できるICパスです。交通カードは、公共交通機関を定期的に利用する場合にはとても便利です。交通カードには、匿名カードと個人カードの2種類があり、匿名カードは、駅、タバコ屋、スーパーマーケットで購入が可能です。個人カードを注文するにはBSN番号が必要なため、まずオランダで市民登録を完了する必要があります。公共交通機関で交通カードを使用する際、乗り降りの際にカードをチェックインまたはチェックアウトすることを忘れないよう気を付けましょう。
自転車の購入
驚くことに、オランダでは人の数より自転車の数の方が多いのを知っていますか?人口が1700万人弱であるのに対し、自転車は全国で約2270万台見受けられます。オランダでの生活には自転車はほぼ不可欠なものといってよいでしょう。オランダで自転車は便利な交通手段であるだけでなく、たくさんの中古も出回っており価格も手ごろになっています。
オクタゴン・プロフェッショナルズについて
今後オランダへ赴任を予定していますか?オクタゴン・プロフェッショナルズは、日本を含むEU/EEAおよびスイス以外の国から知的労働者(highly skilled migrant)を採用したい企業に対して、移民手続きサービスを提供しています。オランダ移民局(IND)の公認スポンサーであるオクタゴンでは、貴社に代わってオランダへの赴任者の知的労働者向けの労働許可申請を行っています。オクタゴンの詳しいサービスについてはこちらをご覧ください。日本語でのお問い合わせもお気軽にどうぞ。

オランダで効果的に給与交渉する方法
14-03-24
オランダの労働市場を理解し、給与を交渉することは難しそうに思えますが、日本よりも一般的に給与交渉は行われているのが事実です。自分の今までの貢献度をアピールするだけではなく、自分の業界のポジションの給与ベンチマークを調べたり、給与だけでなく二次的な福利厚生も考慮することが重要です。

オランダの病欠休暇に関するポリシーについて
06-03-24
オランダで雇用している従業員が病気になった場合に備えて病欠休暇に関するポリシーを設定する必要があります。今回の記事では病欠休暇の際の賃金の支払いや産業医(カンパニードクター)の役割等について詳しく解説しています。

オランダにおける内部告発・通報システムについて
13-02-24
50人以上の従業員を雇用していますか?もしそうであれば、内部通報手順の一環として、公益通報ポリシーを導入する必要があります。内部告発者は、職場内の不正行為を暴露し報告することにより、組織において極めて重要な役割を果たします。これは、企業の透明性、説明責任、倫理的行動の促進に役立ちます。EUの内部告発指令と公益通報者保護法は、不正行為に関する情報を申し出る人々を保護しています。

最新リクルートメント業界まとめと予測
31-01-24
今回の記事では2023年のオランダにおけるリクルートメント業界のまとめと2024年のトレンド予測をご紹介します。2024年には雇用におけるAIの利用とプロセスの自動化がさらに加速し、雇用主と従業員は新しいスキルと学び続ける必要性が高まっています。また採用前の候補者がポジティブな体験ができるように取り組む必要性や、流動的な雇用市場における企業自身のブランド力、そして給与の透明性の導入についてまとめています。

2024年オランダ労働法・規制における5つの重要な変更点
17-01-24
2024年のオランダ労働法や規制の変更についてご紹介します。非課税通勤手当や非課税在宅手当から30%ルールにおける給与所得の税金についてや、オランダにおける最低賃金と知的労働者(highly skilled migrant)の給与条件について詳しく説明します。

オランダの冬のアクティビティ5選
21-12-23
オランダには冬に楽しめるアクティビティがたくさんあります。洞窟にあるクリスマスマーケットを訪れたり、ライトアップされた運河をボートで観光したりするのはどうですか。その他にアイススケートリンクでスケートを試したり、きらびやかな冬の遊園地でイルミネーションとアトラクションを楽しむこともできます。

オランダで生活するためのオランダ語学習にまつわる話
04-12-23
高い英語の普及率をもつオランダでは、ほぼ全ての身の回りのことを英語のみでやり過ごすことができます。オランダ語を習得するということは、単に現地の言語を操るということではなく、オランダ人との人間関係の構築や、日常生活を通じてオランダ社会の一員として周りと繋がることを意味します。

Part2:オランダビザ・許可証にまつわる噂とホント
22-11-23
日本国籍を持つ場合、入国ビザを申請する必要はない?パートナーシップビザを取得するためには結婚またはパートナーシップ登録をしなければならない?オランダで働くためのビザと滞在許可にまつわる5つの俗説について説明します。